ARTWORK【作品について】

Piu新連載「セカンドチェリー」の見どころ

作品を創っていくうえで難しかったところはありますか?

小鳥遊育先生(以下、小鳥遊):
「セカンドチェリー」では隆二の勤務先の服屋さんの背景を描くのが大変でした。小物が多くて。笑
あとは本作に限らずですが、性描写を描くのにいつも悪戦苦闘しています。
 
 
▲ちょっとしたしぐさや呼び方にも細かい設定が!(初期設定)

気に入っているシーンやセリフなどがあったら教えてください。

小鳥遊:
主人公陸也の弟・淳平(じゅんぺい)の登場シーンはどれもお気に入りです。
おバカでかわいいのでお気に入りのキャラなんです。
「可愛い弟のようにしよう」と決めて、担当編集さんと「こんな弟がほしい」と話し合いながらキャラクターを決めていきました。年が離れているので甘えた感じで、お兄ちゃん子のような雰囲気にしたら可愛いんじゃないかと考えながら創っていきました。
7話の最後のシーンはプロットを打ち込んでいるのが楽しかったので、これから描くのが楽しみです。

表紙も素敵ですが表紙などキービジュアルを描かれるときにポイントにしている部分はありますか?

小鳥遊:
「二人の顔が見えるように」というのはもちろんですが、二人の関係が分かるように」という部分も意識しています。あとはなるべく前描いた表紙と被らないようにと考えています。
 
 
▲初公開!「セカンドチェリー」表紙案

WORKS

漫画家になろうとした・漫画家を志したきっかけ

BLジャンルに限らず、好きな漫画または今注目している漫画を教えてください。

小鳥遊:
新しいものを探してすぐ読むタイプではなくて、好きなものを繰り返して読み続けているのですが、『動物のお医者さん』、『高校デビュー』、『よつばと』、『のだめカンタービレ』をずっと読んでいます!日常コメディー系が好きなので、そういうのをよく読みます。
話がジェットコースターのようにころころ変わっていくよりも、構成や流れがゆっくり進んでいくものが好きです。

PNの由来を教えてください。

小鳥遊:
下の名前の「育」は同人活動時代から使っていました。「小鳥遊」は保育園みたいな字面になったらいいかな?と思って、完全に字面で選びました。

デビューの経緯を教えてください。

小鳥遊:
漫画家になるのが小さいころからの夢でした。高校は美術科に通っていて、絵を描くことが好きで絵画の勉強をしていたのですが、将来、学校の先生や講師になるのは私に合わないかなと思って。
でも絵の仕事って不安定というイメージもあって一度就職を選択して。でもまだそこで夢を諦めきれない気持ちもあって…。
そんな中、一般企業からの転職を考えてたときに、趣味で活動していた同人イベントで偶然タイミングよく担当編集さんに声をかけていただいて、それがきっかけになりました。

これから漫画家を目指す人に伝えたいことやメッセージをお願いします。

小鳥遊:
私から言えるようなことではないのですが、ずっと趣味で漫画を描いていて、声を掛けていただかなければ、こうして商業で描いていることはなかったと思います。勇気がある方は、お仕事の場につながるように応募して、編集さんに見て貰えるように一歩踏み出せたらいいなって思います。
何より続けるのが大事なので、好きで描いている方は描き続けていれば実りがあるんじゃないかなと思っています。

PRIVATE

FANも気になる素敵な作品を作る先生のプライベートについて

趣味や、最近はまっていること、息抜きにしていることがあれば教えてください。

小鳥遊:
洋画や洋ドラ、ゲーム実況をよく観ていて、原稿中にもよく流しています。好きな音楽を聴きながら散歩に行ったり買い物に行ったり。ずっと家にこもっているので、気分転換をしないと、と思っています。料理動画もよく観ます。料理は見るのも描くのも好きですね。

漫画を描くうえでモチベーションを上げるための「行動」や「道具」はありますか?

小鳥遊:
美術館・音楽・散歩など外からの刺激を受けています。漫画を読むこともそうですね。
「このシーンを絵にしたい!」と思えるような映像や音楽・好きな世界観に触れることでモチベーションをあげています。
それと、仕事とプライベート環境も分け始めました。
私は日々規則正しく動くタイプなので、7:30~8:00に起き、【運動を兼ねて自転車で職場に行って】【9:30頃から仕事を始め】【大体同じタイミングで帰れるときには帰って…】としています。以前は環境を特に分けていなかったのですが、生活がごちゃごちゃになってしまっていたことがあって「良くないな」と思って。
ごく最近職場と家を分けるようにして、メリハリを保っています。

漫画作りに実際に活かされた実生活の「経験」や「体験」などはありますか?

小鳥遊:
私、漫画家になる前にアパレル店員と事務員をしていたのですが、今回の作品でキャラクターが服屋さんで働く描写には以前アパレルで働いていた経験が活きています。
『妄想腐男子くん』は前に勤めていた会社の中を少しイメージして描いていて、職場の廊下やオフィスの構造を拝借して描いていました。その点で実体験がかなり活かされています。特に什器や商品の陳列方法、電話の取り次ぎなどは経験が活きたかな?と思っています。
 
▲妄想腐男子くん/ラフイラスト
 
小鳥遊:
作中に描かれている、キャラクターの服を考えたりするのも好きですね。
服屋さんに行くときには、売っている服からコーディネートを考えたり、マネキンや店員さん、街中の人のコーディネートを見たりして、そこからキャラの服装イメージを膨らませています。
自分が絶対に着れないメンズの服を着せられるので、それが楽しかったりもします。
私も背が高かったら、緩い感じの服なんかを格好良く着れるだろうなあと思ったりもして。
緩い服を着せたいなあと思って、着せたのが隆二君です…!
 

今回の連載でも、絵柄はもとより多くのシーンで「可愛い」と思うようなシチュエーションも多く見られますが、ご自身の生活で大事にしている「可愛い」はありますか?

小鳥遊:
華美な物よりシンプルなものが好きなので、作中、衣食住で自分の可愛いと思うものを大事に使うようにしています。食器やカトラリーとかがすごい好きで、雑貨屋さんで可愛いと思った物は全部欲しくなっちゃったりして。作品の中でも「ここが可愛い」と読者の方に言ってもらえるポイントがけっこう多くあって、嬉しいです。
 
 
▲妄想腐男子くん/設定イラスト(これも「可愛い」ですね!)

よく聞く音楽や音楽のジャンル、動画・映画などあれば教えてください。

小鳥遊:
音楽はハナレグミさんや手嶌葵さん、大橋トリオさんをよく聴きます。
動画はYouTubeを多く観るのですが、ご飯やお菓子を作っている動画、生活しているところを映している動画、ゲーム実況、スライムを作る動画なども観たりしています(笑)あとは海外のミステリー系の映画やドラマも多いですね。警察もの、探偵ものが好きです。

VISION

先生の目指す今後のビジョンや思いについて

今後、こんな作家になりたい、というビジョンや目標はありますか?

小鳥遊:
私は日常系のものをよく読んだり見たりするのですが、そういった作品はちょっと疲れたときに読んだりすると、息抜きになっていることが多いなと感じています。
読んでいるうちにキャラたちを次第に好きになっていって、「この世界をずっと見ていたいなあ」と感じている私のように、私の作品を読んでいる人たちにも、そう思ってもらえたらいいなって、思っています。

「セカンドチェリー」の今後の展開で、読者に期待してほしいところはどのような部分ですか?

小鳥遊:
色々これから起こるんですけれど、絶対に幸せになります!

熱心な読者やファンの皆さんにメッセージをお願いします!

小鳥遊:
私は描くのにいっぱいいっぱいで、描いた後まで気が回っていないのですが…。
でも読んでくれている方が「気持ちいいな」って思ってもらえるような作品を描けていることを願っております。もし読んでいただけたら嬉しいです!